地域医療支援病院が担う大きな役割とは

都道府県の承認を受け、地域医療の中核を担っている地域医療支援病院は、その名にふさわしくあるように、いくつかの大きな役割を担っています。

1つ目は紹介患者への医療提供です。紹介患者とは、他の病院や診療所から紹介された患者さんのことです。多くの場合、患者さんはまずは1番身近な地域医療、いわゆるかかりつけ医を受診します。そこで初期治療を行い、そこで快癒ができればそれで診療は終了します。しかし、診察の結果、その病院や診療所では手に負えない病状の場合も少なからず発生します。
そうした時の紹介先としての役割を担っているのが地域医療支援病院です。地域の医療機関との連携を図り、患者さんがスムーズに快癒に向けた治療を受けることができるような体制づくりを任されています。

2つ目は救急医療の提供です。これは地域医療支援病院のもっとも重要な役割と言っても過言ではありません。地域医療支援病院では、重症患者をいつでも受け入れることができるように、24時間いつでも体制を整えていなければなりません。また、それらの患者に対してきちんとした治療を提供できるだけの人員の確保と設備の整備も行う必要があるのです。

3つ目は、地域で働く医療従事者の教育です。地域医療支援病院では連携している各医療機関で働く医療従事者のスキル向上のため、計画的に勉強会や研修会を開催する役割を担っています。これも地域医療が充実するためにはとても大切な役割と言えるでしょう。

そして4つ目は、設備や医療機器の共同利用を認めているという点です。これも連携の1つの形であり、かかりつけ医と共同診療を行うことで患者さんの早期治療を目指しています。